時価総額とは

時価総額とは、株価に発行済み株式数を掛け合わせたもの。つまり、会社のすべての株式を買い取るのにいくら必要かを示しており、企業価値に対して時価総額が小さいと、企業買収のターゲットになりやすい。



言葉の使い方(例)

米国で最も高価な会社はどこか――。1980年末ごろまではIBMと相場が決まっていたが、ゼネラル・エレクトリック(GE)の株式時価総額が、1990年7月、米IBMを上回りトップに立った。ジョン・ウェルチ会長の徹底した経営革新が奏功、航空機エンジンで覇権を築くなど収益力向上を背景にした逆転劇だ。GEがトップの座を長期間維持するのは至難の業、との声も出たが、ここしばらくはウォール街でGE対IBMの覇権争いが続いた。

GEの株価はこの1990年前半、航空機エンジンの好調など各事業の収益拡大を背景に上昇傾向。1990年7月27日のニューヨーク市場の終値は七二・〇ドル。時価総額は約六百四十七億一千万ドルに達した。

対するIBMは同日の終値が、一一一・三七五ドルで、時価総額は約六百四十億ドル。両社をそっくり買おうとした場合、GEの方が高価という状態になった。

1989年末から1990年始めにかけて、コンピューター不況に直面したIBMの株価が低迷した。一時的にGEの時価総額がIBMを上回ったことがあった。

しかし、当時は石油会社のエクソンの時価総額がIBMとGE両社を上回り、米国一だったため、1991年7月に名実共にGEがトップ企業に躍り出たことになった。

IBMの株価も1990年に入ってじわじわ上昇。4―6月期決算も予想以上に改善、コンピューター不況脱出の声も強まった。しかし、7月下旬に、米アナリストがIBMの1991年業績予想を下方修正したこともあり、IBM株が下げた。これに対して、GEは絶好調のエンジンを中心に中期的な利益成長が確実な情勢だと予想されていた。

「ニュートロン(中性子爆弾)・ジャック」の異名の下、徹底した管理職削減と事業強化を進めてきたウェルチGE会長とコンピューターの覇者を死守しようとするエイカーズIBM会長の経営手腕が、注目を集めた。



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